コラム

この発想が成果を生み出す! あなたの“宝の山”を発見する方法

    経営相談Q&A

    Q. 小売店を営んでいるのですが、年々売上が減少する一方です。
    何とかしようと勉強会やセミナーにも参加して、いろいろ試してみましたが、なかなかうまくいきません。最近ではどうすれば売れるのか途方に暮れるばかりです。売上をアップするために何かいい方法はないでしょうか?

    A.  私も経営相談やセミナーの現場で同様の主旨の質問を受けることがあります。
    今回は同じような悩みを持つ方のために、今すぐ実践可能な二つの方法をご紹介しましょう。

     

    1.“モヤモヤ”を解消すれば、あなたの脳はもっとよく働く!

    今回のような疑問をお持ちの方に共通しているのは『モヤモヤした状態』ということです。この“モヤモヤ”から 抜け出すには、「可視化すること」がキーワードです。
    つまり、自分の頭の中にある 不安や悩みをすべて紙に書き出すことによって、自分でも見えるようにするのです。
    こうすることで頭の中のワーキングメモリー(記憶領域)が解放され、思考に集中できる環境が整います。例えば、コンピュータで複数のソフトを同時に立ち上げるとコンピュータの動きが鈍くなり、フリーズして動かなくなってしまうことがありますが、これはメモリーがフルの状態になっているために起きるものです。同様に頭の中のワーキングメモリーを解放してあげることで、新しい発想が出やすくなり、深く、早く、正確に考えることがきるようになるわけです。

     

    2.この質問があなたから最適な答えを引き出す!

    それから、「どうすれば売上をアップできるか?」ということですが、この質問には実は重大な問題が潜んでいます。このままだと自分で売上アップのための思考スイッチを切っているようなものですから、いくら悩んでも答えは見つかりません。

    それはなぜでしょうか?

    ひと言でいうと、質問のかたまりが大きすぎるのです。
    このような場合、「Why So? (どうして)」を繰り返すことによって、大きなかたまりを小さく分解しながら 原因を追及し、それに基づいた解決策を考えていかなければならないのです。 大切なのは、 “どうすればいいのか” ではなくて、“どうしてなのか”という発想です。
    では実際に今回の質問の例をもとに考えてみましょう。

    ①『売上』が減少したのはどうして?
    『売上』は、「客単価」と「来店客数」に分解できますから、客単価が下がったのか、来店客数が減ったからなのかを考えます。次に、それぞれの原因をさらに追求していきます。

    ②『客単価』が下がったのはどうして?
    客単価は「商品単価」と「買上個数」に分解できますから、単品単価かが下がったのか、買上個数が減ったのかいずれかです。前者の場合の解決策としては、値上げを実施する、高額商品へのシフトなどが考えられますが、同時に商品やサービスの質を高める必要があることはいうまでもありません。

    このように、一つひとつ原因をつぶしていきながら、それに伴う解決策を考えていくのですが、それでも解決策が見えなければ、問題のかたまりがまだ大きいということです。そんな時に は、「Why So?(どうして)」をさらに繰り返して、解決策が見える単位になるまで分解することで、はじめて思考のスイッチが入るのです。

    時代は転換期にあり、先行きが見えない時代と言われますが、考え方次第でやり方はいくらでもあります。まずは、手始めに今回ご紹介した「可視化すること」と「大きなかたまりを小さく分解すること」をチェックしてみてはいかがでしょうか?

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