コラム

経営計画を企業経営に役立てるために

    経営相談Q&A

    経営計画を見直し、強い会社をつくる!

    経営計画は、作成する目的によって、事業計画、経営改善計画、中期経営計画、創業計画など呼び名はありますが、その根底にある内容はどれも同じです。
    私は、経営相談や、経営コンサルティングの場面で、経営計画作成のサポートを行っていますが、計画の有無や計画の内容を含め、経営計画は、経営の在り方の縮図のように思います。企業を成長軌道にのせるヒントがここにあります。

    Q 当社では、前年の実績をもとに経営計画を作っていますが、計画通りに進むのは、最初の方だけで次第に計画と現状の差が大きくなり、計画は絵に描いた餅になってしまいます。こんな状態を繰り返していると、忙しい時間を割いて経営計画をつくる意味があるのか、計画をつくってもその後の状況が変われば役に立たないのではないかと思うようになっています。

    A 経営計画に関する情報を目にする機会はたくさんありますが、一方で経営計画を企業経営に本当に役立てているかというと必ずしもそうなっていないケースが見受けられます。今回は、経営計画を会社の経営にいかに役立てるか、成果を生み出す経営計画についてのポイントについてお話しします。

     

    経営計画は経営の基本設計書
    計画はPDCAサイクルの出発点であり、この中でも重要な機能です。

    PLAN 計画
    目標を決め、計画を立てる

    DO 実行
    目的を意識して計画を実行する

    CHECK 検証
    計画通りに進んだか検証する

    ACTION 改善
    評価結果に基づき改善する

    PLAN・・・

    経営計画があるからこそ不確定な未来が明らかになり、方向違いや手遅れを事前に予防できます。目先だけをみて、将来の見通しを考えていなければ、成り行き任せとなり、ますます不確実・不安定な状況を招きかねません。

    例え先行きが見通せなくても、活動内容を事前に想定し、抜け漏れがないように、自社の将来を管理する必要があります。そして、計画通りにならない場合にすぐ手が打てるよう事前に考える。このような経営を実現させなければなりません。

     

    目標を達成するために

    目標を達成するには、明確な目標と計画が必要です。「それ知っているよ」と言われるかもしれませんが、そういう会社ほど目標達成に寄与しない目標や計画を作っているケースがあります。

    なぜなら、目標の達成や未達はわかっても、その理由を検証できないからです。単に数字を顧客別、商品別に割り振っただけの目標となっていないでしょうか?

    また、経営が順調な会社でも何が成果を生み、何が成果を生まなかったのかをチェックできるようにしておく。たまたま出たヒットでは何も得るものはありません。どうやってヒットを打ったのかがわかるような計画をつくる必要があります。

     

    計画に必要な3つのポイント

    成果を生み出す経営計画は数値目標と行動計画から構成されます。ポイントは3つあります。
    ①目標像が明確であること、②活動内容が明確であること、③目標にいたる通過ステップが設定されていることです。その中でも重要なのが行動計画。目標を達成するために、何をするのか、行動レベルで具体化するということです。

    目標を達成するため具体的にどのような行動をすればいいのかが書かれていない、もしくは書くことができないとしたら、それは目標を達成する状況を具体的にイメージできないことを意味します。目標を達成するために、“会社に出社してから、まず何を、どの順番にやることが好ましいのかがわからない”ということです。そのような計画で果たして目標を達成できるでしょうか?

    自社がありたい姿を描くだけでなく、そうなるための根拠をしっかり考えるのです。海外でも活躍する日本の有名なアスリートが、イメージトレーニングを重視しているという記事を目にしたことがあります。イメージトレーニングは行動レベルの内容になっています。ビジネスもスポーツも結果を出すための原理原則は同じということですね。

     

    おわりに

    企業が存続し発展し続けていくためには、X年後どうしたいかということを具体的に決め、そのために今何をすべきか、今年は何をしていくかを考える必要があります。数値目標でありたい姿を描くだけでなく、そうなるための根拠として行動計画をセットでつくる。計画ができたら、企業に関わる利害関係者や社員と共有する。そして毎月の社内会議を通じて計画と実績を比べ検証し、そして結果に基づき改善する。こうすることで経営計画はあなたの会社の経営の中核として機能し成果をあげるツールとなるでしょう。

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