アンジェラ・ダックワース「GRITやり抜く力」 私の読書メモを紹介します。
著者:アンジェラ・ダックワース
目次
• 1.本書からピックアップ
• 2.感想
• 3.この言葉の活かし方
• 4.まとめ
• 5.私の読書メモで紹介した本
1.本書からピックアップ
私たちは、新しいことを始めても長続きしないことが多い。しかし、「やり抜く力」のある人にとっては、1日にどれだけ努力するかより、くる日もくる日も、目が覚めた途端に「今日も頑張ろう」と気合を入れ、トレッドミルに乗り続けることが重要なのだ。
努力をしなければ、たとえ才能があっても、宝の持ち腐れ。
努力をしなければ、もっと上手上達するはずのスキルも、そこで頭打ち。
努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、さまざまなものを生み出すことができる。
文化とは、根本的には、人々の集団に見られる共通の行動規範や価値観のことだ。言い換えれば、人々が明確な理由を持って、「自分たちはこういうやり方で行こう」という同意のもとに集まるところには、独特の文化が存在する。
自分の「やり抜く力」を強化したいなら、「やり抜く力」の強い文化を見つけ、その一員となること。あなたがリーダーの立場にあり、組織のメンバーの「やり抜く力」を強化したいなら、「やり抜く力」の強い文化を作り出すことだ。
人は誰でも限界に直面する、才能だけでなく、機会の面でもだ。しかし実際には、私たちが思っている以上に、自分で勝手に無理だと思い込んでいる場合が多い。何かをやって失敗すると、これが自分の能力の限界なのだと思ってしまう。あるいは、ほんの少しやっただけでやめてしまい、他のことに手を出す。どちらのケースも、もう少し粘り強く頑張ればできたかもしれないのだ。
2. 感想
才能よりも努力、そして継続こそが力になる
- アンジェラ・ダックワースの『GRIT』は、成功を決定づけるのは才能ではなく、情熱と粘り強さの掛け合わせ=「やり抜く力」であると断言します。
本書は、「努力は才能をスキルに変え、努力はスキルを成果に変える」というプロセスの重要性です。この考え方は、近年注目されている「成長マインドセット」や「非認知能力」の考え方にも通じており、どんなに優れた資質があっても、それだけでは実力にはならないというシビアな現実を浮き彫りにしています。 - 特に「トレッドミルに乗り続ける」という比喩が印象に残りました。これは、日々の努力が派手なものではなく、むしろ地味で孤独な反復の連続であることを示しています。「才能がある人ほど、結果を出し続けるには努力が欠かせない」という真理に勇気づけられます。私もジムに行くと、まず「トレッドミル」からスタートします。ジムにいかない方でも散歩などの習慣は続けることで心肺機能も強化されるのでおすすめです。
「やり抜く力」は、属する文化の力で強化される
- 本書では、「やり抜く力」は個人の資質ではなく、環境や文化によって育まれる側面があることが強調されています。つまり、自分一人の意志だけでGRITを保ち続けるのは難しく、周囲の文化や風土が支えとなるという視点です。これは、ビジネス組織や学校、家庭など、あらゆる場に共通する原理です。
・「がんばる姿はかっこいい」
・「粘り強く挑戦する姿勢を称える」
・「失敗してもやり直す機会がある」
といった文化が共有されていれば、自然と人は「もう少し続けてみよう」と思える環境に身を置けるものです。 - また、リーダーとしてこの文化をつくる側に立つなら、「あきらめない」「挑戦を歓迎する」「努力を称える」というメッセージを継続的に発信し、行動で示していくことが大切です。
「限界」は思い込みであることが多い
- 本書の核心の1つに、「限界だと思うのは早すぎる」というメッセージがあります。多くの人は、最初の失敗や成果の出ない段階で、「これは向いていない」「才能がない」と判断してしまいがちです。しかし、ダックワースはこう言います。「もう少しだけ粘っていれば、結果は変わったかもしれない」と。つまり、本当にやり抜く人は、
• 最初の「壁」でやめない
• 他人と比較する前に「昨日の自分」と向き合う
• 過小評価されても、自分を信じてやり続ける
という姿勢を持ち続けているのです。これは、ビジネスだけでなく、スポーツや受験、創作、子育て、人間関係にも応用できる「生きる力の根っこ」といえるのではないでしょうか。
3. この言葉の活かし方
「努力×継続」を再定義し、日々の行動に落とし込む
具体的な活かし方
• 毎日、意識的に「GRITな行動」を1つ実践する(例:やりかけのことを5分続けてみる)
• 「やり抜いた回数」「途中でやめなかった回数」を可視化する
実践例
毎朝10分間、苦手な英語の音読を継続して記録。「今日はやる気がないからやらない」ではなく、「気が乗らなくてもやった」ことを称えることで、“やり抜いた自分”への自己評価が高まり、GRITを内在化できる。
「GRITな文化」を組織やチームに根づかせる
具体的な活かし方
• 挑戦や試行錯誤の報告を「称える」文化をつくる
• 毎週、チームで「今週、やり抜いたこと」「あきらめなかった経験」をシェアする時間を設ける
実践例
営業チームの週報に「今週、あきらめずに続けたこと」を一言ずつ書いて共有。大きな成果がなくても、「継続した努力」が見える化されることで、メンバーの挑戦意欲が持続する。「やり抜くことが“評価される文化”」が組織に根づいていく。
「もう限界かも」と思った瞬間こそ、“あと5分だけ続ける”
具体的な活かし方
• 「あと5分だけ」「もう1回だけ」など、区切りをつけてやり続けるテクニックを持つ
• 失敗を「終了」ではなく、「中間報告」として捉える視点を持つ
実践例
企画書の執筆中に行き詰まったとき、「ここまでで一旦やめよう」と思うのではなく、「あと1段落だけ書いてからやめよう」と決めて行動する。
この5分の粘りが、次のアイデアの突破口になることも少なくない。
4.まとめ
本書が伝える「GRIT(やり抜く力)」は、特別な才能や環境ではなく、誰でも日々の中で育てることができる“意志と習慣の力”です。
• 継続は、日々の反復と「あと少し」の粘りで育まれる
• 「GRITな文化」は、挑戦と失敗を認め合う空気によって形成される
あなた自身の「やり抜きたいテーマ」は何でしょうか?
そして、あなたの周りには「やり抜く力を後押しする文化」があるでしょうか?
この本が教えてくれるのは、「やり続けた人が最後に勝つ」という、地味でも最も確かな成功の方程式です。今日から、1つでも「やり抜く行動」を積み重ねてみましょう。それは、未来のあなたをつくる最大の自己投資になるはずです。
5.「私の読書メモ」でご紹介した本
カテゴリー
・私の読書メモ
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