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アイディアだけでは評価されない会社

社員からどんどんアイディアが出てくる会社、素晴らしいですね。
「アイディア千本ノック。」、「社員は1日に1アイディアを必ず出す。」
いろいろな取り組みをしている会社があります。
でも、アイディアを出すだけでは評価されない会社もあります。



皆さんご存じ、グーグル。
ウェブ進化論の梅田望夫氏によると、
グーグルではアイディアの起案だけでは評価されないそうです。

梅田さんがグーグルの友人に尋ねたそうです。
「次から次へとアイディアを出すタイプの人は、グーグルではどう評価されるの?」
友人が答えるには、
「アイディアの起案自身というのはほとんど評価されない。アイディアっていうのは当然、難しい問題を含むものだ。その問題を解決して、動く形にして初めて評価される。」 

アイディアを発想レベルにとどめずに、
“動く形”にしてはじめて“提案”と見なす
というのは、中小企業にも必要な考えです。
「やるといいながら口だけで終わってしまう人」もいますからね。

この本を読むとグーグルの強さの理由がわかります。
特に、「20%-80%ルール」はすごいです。まさに実力主義の世界。

でも、こういう会社がある一方で、
そのアイディアさえも出てこない会社があります。
ある会社では、社員にアイディアを出すように言ってもまともなアイディアが出てこない。
幹部も会議室でうんうん唸っているばかりで、現在のビジネスの延長線上の発想しか生まれない。
社長もほとほと困り果ててしまいました。

そこで、社長は私に相談してきたので、ある仕掛けを作って、
社員に業務改善のアイディアを出すように呼びかけました。
そうしたら、社長も驚いていましたが、50名弱の会社ですが、
ほとんどの社員からアイディアが寄せられ、中には一人で2件以上も提案した社員もいます。
アイディアというのは、会議室を出たところから生まれるのです。

よくあるのが、良い本を読んで刺激を受けると、すぐそれを自社でやろうとする社長。
「グーグルすごいな。よし、うちの会社でも20%-80%ルールやろう」と。
・・でも、うまくいかない。
積極果敢にチャレンジすることも大切ですが、現状にあっていなければ役に立ちません。

冒頭に問題という言葉が出てきましたが、問題とは何でしょうか?
問題とは、目標(あるべき姿)と現状(実際の姿)の差であり解決すべきこと
これが一般的な定義です。

走り高跳びで言うと、自分の目指すバーの高さ(あるべき姿)をどこに設定するかによって、
その差(間)を埋めるためにやるべきことは変わってきます。

バーの高さはどこに設定してもいいのです。ただし、
バーが高くなるほどに、差を埋めるためにやるべきことは増えていく

それさえ押さえておけば、
20%-80%ルールを目指してもOKだし、
まず、アイディアを出すレベルからスタートしてもOK。
どちらでもいいのです。

先ずは、現状を知らなければなりません。
あるべき姿ばかり追いかけても、実際の姿をつかんでいなければ、
埋めるべき差(=問題)がどのくらいあるかわかりませんからね。

現状というものは見たくないことが多いもの。でも、ここを見ないと始まらないのです。
そうでないと、「やるといいながら、口だけで終わってしまう人」になりかねません。
途中で挫折してしまわないように、現状のレベルから無理なく始めることが大切ですね。

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コメント

    • nob
    • 2006年 5月 25日

    ストレッチ目標は重要ですね。
    TODOを見てげんなりして、結局投げ出してしまう過去の自分がいました。
    さて、話は脱線しますが、先日、とある投資家の方から短絡的なアイデアだけを投げられ、早く上場してくれというむちゃくちゃな要求をされました。
    はじめはこの人からかっているんじゃないのかと思ったのですが、どうやら本気みたいなのです。
    双方間の物事の捕らえ方のギャップの差異、アウトプットに対する認知的不協和等を考えると、先生がおっしゃるようなことを相手に理解させ合意形成することからスタートしなければ始まらないと痛感した次第です。さらにそれ以前の問題でもある訳ですが。。。

  1.  経営者が会社の実態にあわせて ギャップの埋め方を考えて行くのと同時に 
    社員の方も 自分の会社を “第三者的に”把握している事が必要と考えています。
    せっかく いいレベルになってきて 次のステップに進むべき時期にいても
    今までの記憶 成功体験にとらわれている限り “このままがいい”からは抜けれれませんからね。
     提案だって アイディアやたまたまそれだけ出来た というところから 実施提案になり システムの変更になり・・・とレベルアップしてゆけばいいんじゃないでしょうか。
     トヨタでは 実施済み提案でした。
    でも大切なのは それが この次も使えて“体力”になっているか?でした。
    更に 提案を通じた 教育の側面が大きいという事を認めていて 役員も熱心な指導をするんです。
    その結果が“今”なんですね。

  2. さすがマチスケさん(^^)
    社員さんの心をくすぐったのですね。
    くりっく

  3. おっしゃるように、アイデアを形にする方がよほど大変だし、
    重要だと思います。
    (「成功遺伝子」か何かにその辺のことも強調されてましたね。)
    私の場合は「目標」が何かあるのではなく、そういった事柄を
    「考えるのが好き」なだけなので、相変わらずメモに書いた
    アイデアはそれっきりなんですが(汗)。

  4. こんばんは~P太郎です☆
    最近、行動することの重要性を再認識し、
    日々生活しています!
    良いアイデアを出すより、
    たいしたことないアイデアでも実行に移す方がいいと思います!
    実行するとより良いアイデアが出てくるんじゃないのかと・・・
    応援!!

  5. nobさん
    ストレッチは必要ですね。私もニュースレターやメルマガでこの点については繰り返しています。関連記事も近々アップする予定です。ありがとうございます。

  6. acbさん
    長文のコメントありがとうございます。おっしゃるとおり、現段階のステージから出発して、スパイラルアップさせていくことですね。また提案を通じた教育の効果は大きいです。実際に本文に出てくる会社もそのような活用の仕方をしています。やるといいながら何も変えない道を選択する会社とは、1年後には大きな差が開いています。

  7. 圭さん
    社員さんの声を聞くことに蓋をしていた会社があり、その蓋を開けてあげたということです。そのための環境整備のお手伝いですね。ありがとうございます。

  8. smoothさん
    この本マインドマップにするのに苦労しました。必要なキーワード満載です。自分の脳にいいストレッチになりました。ありがとうございます。

  9. P太郎さん
    その通りですね。石橋を叩いてばかりでいつまで経っても橋を渡らない方に聞かせてあげたい言葉です。
    石橋を叩いているばかりでは何もわからないし、何も見えないのです。一歩進んで見ると景色は違って見えるのです。

  10. 今日はタイトルが紛らわしくてスイマセンでした。
    ちなみに明日の記事は時間を「朝5時」に設定して、投稿予約してあります。
    何時に公開されるか(されないか(涙))お楽しみに。

  11. アイデアは売れるものでなければならないし、アイデアの起案なんてものはそもそも評価に値しない。

    技術をウリにする会社に必要な人種について。 アイディアを出す人、その実現を技術で

  12. 役割

    アイディアを出す人、その実現を技術で支える人、作ったものを売る人1. 湯水のよう…

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