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三振の数

ひとつひとつの間違いや失敗は、野球でいえばちょうど三振のようなものである。

あなたにとっての最大の資産は、最後にヒットを打つまでに喫した三振の数である。

三振の数が多ければ多いほどつぎにヒットを打つ機会にますます近づきつつあることになる。

(フランク・ベドガー)

 

先に、ワールドシリーズのMVPに選ばれたヤンキース松井秀喜選手の言葉を紹介しましたが、

苦しいと思ったことはない

ヤンキースといえば、714本のホームラン記録を持つベーブ・ルース。

ベドガーは、ルースの華やかな記録の背景にある。見逃してはならない事実について指摘します。

 

『ルースは合計1330回も三振を喫している。

これは1330回も観衆の野次と罵声の中を、ベンチに戻らなければならない屈辱を受けていたことになる。

しかし彼は失敗をおそれて意気がくじけたり、あるいは努力が弱まったりするようなことはけっしてなかった。

彼は三振を喫しても、それを失敗とは考えないで、反対に努力として数えたのである。』

 

ルースは、「打撃がスランプに陥ったときにどうするか」との記者の質問にこう答えます。

「私はグラウンドへ出かけていって、そこでスイングの練習を続けるのです。」

「堅実にスイングの練習さえ続けていれば、ほかの人の場合と同じように、

悪いときばかりでなく、私にだって調子がよくなるときがくるものだと思っていますよ。」

 

これは練習を続けていけばそのうち何とかなるだろうということでなく、

自分が直面している経験に対し、どのような意義を感じるか、ということなのだと思います。

単なるプラス思考との圧倒的な違いですね。

 

今年、同じ日本人選手としてもメジャーで活躍するイチロー選手の記録にスポットライトが集まりましたが、

松井選手はイチロー選手の活躍が気にならなかった訳ではないと思います。

そしてシーズンオフに近づくにしたがって聞こえてくる松井選手放出の新聞記事も。

しかし怪我がつづいても決して腐らず、自分がなすべきことを一人繰り返した。

これは先のルースのエピソードにもオーバーラップするようにも思えます。

 

ヒットを打つまでに喫した三振の数を楽しめるか、

そのど真ん中にある時には、なかなかそういう境地になれないと思います。

しかし壁に直面した時に私たちが思い出さなければならない事実であることは間違いないでしょう。

その人を成長させるか、停滞させるかの分かれ道といえるのかもしれません。

成功体験を再現できるか、失敗体験を活かせるかどうかは正に自分次第ということになりますね。

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