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宇宙エレベータ

宇宙エレベータ。SF小説や空想の世界の話しではありません。もうそこまできています。

仙台市天文台で「宇宙エレベータ~科学者の夢みる未来」を見てきました。

ドームスクリーンいっぱいにバーチャル映像を体感することができます。

作品に登場する宇宙エレベータは、東京大学助教で宇宙飛行士候補のアニリール・セルカン氏が監修しています。

 

宇宙エレベータとは?

宇宙エレベータは、地上から約36000km上空にある静止軌道まで延びたケーブルに沿って、人や物質を運ぶ装置のことをいいます。「軌道エレベータ」や「宇宙塔」といった名称でも呼ばれます。電力を使って宇宙に行くことを想定しているため、従来のロケットよりも遥かに低エネルギーで往復でき、リーズナブルに宇宙へ行く輸送手段として期待されています。しかし宇宙エレベータの建設を実現するためには、まだいくつかの課題を乗り越えなくてはなりません。その克服のため、科学者は挑戦を続けています。宇宙エレベータの形状についても、現在までに色々なタイプが考えられてきました。 (宇宙エレベータ公式サイトより)

宇宙エレベータはどのような原理でつくられているのでしょう。

これを読むとイメージがふくらみます。

宇宙エレベータの原理は、この静止衛星と同様です。静止衛星から地上に向けてテザー(ワイヤーやリボン状の紐)をたらし、このテザーをどんどん伸ばして地上に近づけていきます。ただ、そのままだとテザーの重さで全体の重心が地球に近くなってきて落ちてきてしまいますので、地球と反対側にもテザーを伸ばしていくことにします。いつも全体の重心が上手く釣り合うように両方に伸ばし続けると、最後には地球に伸ばしたテザーは地上に届くというわけです。(宇宙エレベータ協会公式サイトより)

童話の「ジャックと豆の木」もある意味、宇宙エレベータなんでしょう。

 

宇宙エレベータ建設のためには課題も山積していますが、

現代の科学技術の粋を集めると実現は可能なのだということです。

 

そして、宇宙エレベータより完成がもうすぐなのは宇宙ステーション。

現在、世界15カ国が協力してISS(国際宇宙ステーション)の組み立てが進められています。

日本でも実験棟「きぼう」の準備のため、若田宇宙飛行士が3ヶ月間宇宙に滞在していますね。

今朝(6/22)の2時~3時頃に、仙台の上空、地上400キロ付近をISSが通過したそうです。

 

ISS建設の物資補給は、1998年からすでに40数回にわけてロケットによって輸送され、

2010年にはサッカー場ほどの巨大な「宇宙の研究所」になる予定とのことです。

 

現在のところ、輸送手段としてはロケット以外の選択肢はありませんが、

打ち上げによる環境破壊などの問題も抱えています。

そこで、従来のロケットより低エネルギー、低コストの宇宙エレベータの必要性が高まるわけです。

 

「宇宙エレベータ~科学者の夢みる未来」

作品の最後に科学者が登場して、こう述べます。

ロケットに比べて低コストといっても、それでも莫大なコストがかかる。しかし、

「世界中で1年間戦争をしないことで、資金面の問題をクリアすることは可能」だと。

 

さらに、こうしめくくります。

「できるかできないかではなく、したいかどうか」だと。

ロマンチックな話しで終わらなかったのも、先人たちの実行性の賜物だったということになりますね。

 

大きな夢を育んでほしい子供だけでなく、大人も必見のプログラム。

少年時代に当たり前にもっていた好奇心が刺激される方も少なくないでしょう。

未来は過去の延長線上でなく、私たちの想像を超えたところにあるようです。

 

宇宙エレベーター
アニリール・セルカン (著) 出版社: 大和書房

ATA宇宙エレベーターの考案者としてNASAをはじめ各国の宇宙開発に参加する、トルコ人初の宇宙飛行士候補アニリール・セルカン。ケンブリッジ大学物理賞、アメリカ名誉勲章など数々の栄誉に輝く著者が贈る、21世紀のガリバー旅行記。

 

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