素晴らしい失敗
私は、だれかの昇進を承認する時、
必ず「この社員が過去に犯した最大の失敗は何だったか」と、聞くことにしています。
大失敗をしでかしたことのない人が、勇気を持って重大な決定を下した例がありませんから。
何らかの教訓を学ぶチャンスがなかったのです。
ピーター・ブラベック
ネスレCEOのピーター・ブラベックは、「素晴らしい失敗を何度もしている」と言います。
素晴らしい失敗とただの失敗の違いは、そこから学びを得ているかどうかの違いだという。
誰でも失敗するという前提に立つと、失敗から学ぶという姿勢はその後の結果を左右することになります。
そもそも、失敗から学びを得た段階で、それは失敗ではないということになります。
会議やレビューの場で上司を前に猛省している社員が、同様のミスを繰り返すということがありますが、
本人はもとより会社にも原因があることは疑いがないところです。
心からの反省というような精神論でなく、失敗事例から学んでいるかを問う姿勢が会社にも求められます。
また、一般に失敗事例よりも成功事例の方が好まれやすい傾向があります。
その証拠に、ビジネス書のコーナーやベストセラーを見ると、成功本って多くありませんか?
成功事例の会社の資源や背景が異なれば、そのまま自分の会社に導入できるはずはないでしょうし、
何よりも、成功事例の多くは「後付け」であるという話しも聞いたことがあります。
ホワイト・ライ(美しいウソ)という人もいます。
成功本を自己のフィルターを通さず、信じこむとしたらそれは単なる思考停止の可能性アリです。
さて、「○○さんが過去に犯した最大の失敗は何だったか」という冒頭の問い。
これは奥が深くかつ様々なビジネスシーンで活用できる問いといえそうです。
何よりも、あなたならこの問いにどうこたえるでしょうか?
自分の外の事例に一喜一憂する前に、良質な教材が手元にあるという訳です。
失敗ってほんと人生の糧ですよね。
失敗の経験ってそのときは大変なことですが、
のちのちそれが力となってくれますしね。
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