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土俵の真ん中で相撲をとる

本日、仙台市内のホテルで建設業の団体でセミナーの講師を務めさせていただきました。
このセミナーのコンテンツをまとめるために、参考文献を引っ張り出していたら、8年前に買った1冊の本が目に飛び込んできました。


お金のことをつねに心配していては仕事ができない。
そのため、ぎりぎりの資金繰りは決してしないようにしなければならない。
手形が落ちないといって必死に金策に走り回り、ようやく手形を落とし、あたかもすごい経営努力をしているかのように思いこんでいる人がいる。
しかし、つねに金策に走り回って自転車操業をしているようでは、本当の経営を行っているとは言えない。
マイナスの経営を、やっとのことでプラス・マイナス・ゼロの水準に戻しただけのことである。
これは、稲盛 和夫氏の言葉です。
大変厳しい言葉ですが、経営者とはそれだけの気概を持っていなければ務まるものではない、
ということが著者の体験を通したその一言一句から響いてきます。
第一、金策に時間の大半を使っては、戦略的発想を立案できるような状況にはないでしょうし、
顧客を一軒一軒回ってトップセールスをする時間もないでしょう。
肝心の業績を確保するための活動に十分な時間を割くことができなければ、
永遠に自転車操業から脱することはできません。
最近の起業ブームを著者はどのように見ているのでしょうか?
若者が夢と志を持って、ビジネスの世界に飛び込んでくることは、
わが国の産業の新陳代謝を活発化する上でも大変好ましいと思うのですが、
単純に手放しで喜べるものでもありません。
というのも、「楽して儲かる」とか「簡単に稼げる」的な世界に後押しされて、
それこそ、簡単に起業してしまう人を生み出しているからです。
あまりにも楽観的な考えを持っていて、話しを聞いている私の方が
「本当にそれでいいのか?」と口出ししたくもなります。
こういう時代こそ、「楽して・・系」や「簡単に・・系」でなく、
「額に汗して稼ぐ」経営哲学をじっくり読み込むことが必要なのだと思います。
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土俵際に追いつめられ、苦し紛れに技をかけるから勇み足になったり、きわどい判定で負ける。
どんな技でも思い切ってかけられる土俵の真ん中で、土俵際に追いつめられたような緊張感を持って勝負をかけるべきだ。 (稲盛 和夫)
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コメント

  1. 稲盛さんの言葉に思いっきり共感しました。
    応援の一票もポチッと押しておきました。

  2.  この言葉と 松下氏のダム式経営の話とは似ていますよね。
    経営者としては やはりこういう考え方になるべきなんでしょうか?
    ダム式(設備にも余裕がある)なんて トヨタの考え方では 問題がもぐってしまうと言うことで嫌うのですが トップの”立ち位置”(心)は”土俵の真ん中”なんでしょうね。
    目的が 経営者の仕事ができる環境を構築すると言う事ですからね

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