腹痛と経営の話
医者が腹痛をおこした時に、患者を診察せずに薬を出したらどうなるでしょうか?
「患者をろくに診もせず、薬を出すなんて」きっとあなたはそう反論したくなることでしょう。
問題の理解と分類なくして事実を知ることはできない。データを知りうるのみである。
問題の理解と分類によってのみ、意味のあるデータ、すなわち事実を知ることができる。
P.F.ドラッカー
腹痛の原因が、不安やストレスから来る神経性のものなのか、
内臓の問題から来るものなのか、それとも何か重大な問題のシグナルなのか
を診ることもなく、ただ勘で薬をだしていたら、それはヤブ医者です。
こんなことは小学生にだってわかることです。
ところが、似たような話しが経営の現場に置き換わると様相が一変します。
例えば、経営相談の場で「経営状況が厳しいので、何かいい方法はないでしょうか?」
というような相談を受けることがあります。
そこで、私は現状を把握するために、いくつかの質問をします。
また、資金繰り表を作っていない経営者には、一緒になって資料を作ってみようと声をかけます。
ところが中には、自社の現状に目を向けようとせず、解決策ばかりを求める人がいるのです。
こういう人ほど、現実を診るより、あるべき理想論を語るのは饒舌です。
おかしいと思いませんか?
先ほどの医者の例に例えると、診察もろくにせずに薬を出せと言っているようなものです。
医者が適当な薬を見つくろって、患者の腹痛は一時的に治ったとします。
でも、それで本当にいいのだろうか?
病は刻一刻とあなたの身体を蝕んでいるのかもしれないんですよ。
冒頭の言葉は、事実を収集するためには、問題を理解し分類することが先決であることを物語っています。
また、ドラッカーはこうも言っています。
「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。」
問いが間違っていれば、解決策は的外れなものになる。
言ってみれば、当たり前の話しですが、思いこみはそれすら振り返る余地を与えません。
良薬は口に苦しというではありませんか、苦い現実を直視することが第一歩なのですよ。
「何かいい方法はないか?」薬を求める前に、先ずその問いを変えてみる必要があると思うのですが。
マチスケさん こんにちは
まさに 問題が分からんやつほど困ったやつはおらん ですね。
大野耐一さんの言葉ですが トヨタ時代でも もちろん今でも感じることですね。
問題の本質さえつかめたら、真因が分かるなら・・・少なくとも現場は観える化しなくちゃいけませんね。
だから問題が分かるような・・・経理だってそうなんだと思います。
答えが先じゃないですしね。
問うほうが的確に問わないと答えも
本当の答えとして返ってこないですね。
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