起業までの道のり
少し前に地方紙に目を通していたら、ある記事に目が止まりました。
古い茶屋を引き継いだ青年店主の話です。
この茶屋は、地方の高校の近くに店を構えていて、代替わりしながら50年間続いてきたそうです。
失敗を恐れるな。成功というものは、99%の失敗を土台にしている。
その失敗すら、現在あらためて見直せば、成功につながるものもいっぱいある。
結局、失敗であろうが、「やってみる」こと、そこに値打ちがあるのだと思う。
本田宗一郎
茶屋の周りにも同じような店がいくつかありましたが、
時代の波とともに気がつけばこの店一店舗になっていた。
地元の高校生を始めに地域に愛されていた店ですが、
60代後半になる女性の店主は、高齢であることと、後継者がいないことで閉店を決意する。
そこに訪れたのが、広島から来た一人の青年。
秋田県に知り合いはなく、偶然にこの地を訪れたのです。
24歳で会社を辞めてから全国をヒッチハイクして旅をしながらの自分探し。
偶然、この地にたどり着いて、入った店がこの茶屋だった。
そして馴染み客になる。
しばらくして、店が閉店するということを聞きつけ、青年は年老いた店主の様子を見に行く。
店主は身内でもない青年に、店をやってみないかと声を掛ける。
それに青年が応え、この店を引き継ぐ決意をする。
河北新報「こもれび」から記事を要約して紹介しました。
偶然が重なります。
青年は何かを探し求めていたが、その何かは旅の最中にはわかってはいない。
それが、知らない土地で、偶然の出会いにより経営者としての道を歩むことになります。
年老いた店主にしても、閉店を余儀なくされていた店の後継者が偶然に見つかる。
セレンディピティ、両者が引き寄せた価値ある偶然です。
セレンディピティ(serendipity)とは、
何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力のことです。
イギリスの小説家ホラス・ウォルポールによる造語といわれています。
青年は、自分のやりたいことを見つけるために旅に出た。
元店主は、同業者が閉店する中で、地域に愛される店を続けていた。
偶然は、自分では統制することができませんが、
二人は、自らの「行動」によって、価値ある偶然を引き寄せる機会を増やしたのではないでしょうか。
はじめに行動ありきで、行動がなければセレンディピティもなかったのでしょう。
この出会いは、“たまたまそうなった”のではなく、“なるべくしてそうなった”といえるのかもしれません。
新聞によると、開店から2ヶ月経過して、連日、地元の客で賑わっているそうです。
事業を継続させることは容易ではありません。
これから様々な困難に直面することもあるでしょう。
冒頭の言葉とともに、地方で頑張るこの青年にエールを送りたいと思います。
偶然というのは日頃の積み重ねによって
引き寄せられるものですよね。
偶然は偶然ではなく必然という人もいますが、
まさに自分自身で引き寄せてるからこそですね。
応援くりっく!ぽちっ
こんにちは。
本田宗一郎さんのお言葉、研修生にも伝えたいです。
「やってみる」こと、今の日本に必要なことですね。