買ってくださいと言わない売り方
日経MJで次のような店舗が紹介されていました。
阪神梅田本店(大阪市)で、販売員が開く「ミニ講義」が人気を集めている。「だし巻きたまごをおいしく作るコツ」「スカーフのおしゃれな巻き方」など、日常を楽しむための小さな工夫を30分から1時間程度で教える。商品の販売促進だけでなく、スタッフと来店客の距離を近づけ、「販売員に会いに行く」ことが来店動機になる店作りを目指す。(2019.9.30)
この店では、実演販売にありがちな買ってくださいという売り込みはなく、
商品の押し売りにならないようにしている
実演販売のように商品の価格を声高に叫んだり、購入を無理強いしたりしない。
夕方から夜にかけて開かれる「ミニ講義(イベント)」では、仕事帰りの女性が立ち寄ることも多く、お客様の悩みに販売員がアドバイスするというような形態をとっていて、その結果、40代以下の構成が3割から4割まで増え、新しい客層にもリーチできるようになったといいます。
つまり、店からお客へ一方通行(片方の矢印)ではなく、お客の質問、悩みに経験豊富な販売員が答えることで、双方向のコミュニケーションがとれ(両矢印が実現)結果として売れているということですね。
営業活動における問題点として、商品説明をただ一方的に行って買ってもらおうとする売り込みや、顧客の要望に応えていれば買ってもらえると思う御用聞き営業がありますが、どちらも一方通行(片方の矢印)であるという点で共通しています。
一方で、提案型の営業は、先ず聴く。聞くではなくて、聴くです。Hearの聞くは受動的な聞き方ですが、Listenの聴くは能動的な聴き方です。お客の話に耳を傾け、悩み、困りごとをしっかり聴いて、その上で悩み、困りごとを解決するための商品・サービスを販売します。こちらは双方向(両矢印)です。
先の事例では、小売店における販売の好事例でしたが、この取り組みは、法人営業でもまったく同じで効果があるやり方といえます。
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