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カオスの後に訪れるもの

先週から今年最初のセミナーを行っている。
昨日は3回シリーズの真ん中に当たる。
テーマは「戦略定石から学ぶ」。
初回では参加企業それぞれに自社を取り巻く事業環境を把握し、
今回は戦略志向ツールを用いながら自社の戦略を立案するステップになる。


セミナー修了後に1人の経営者が歩み寄ってこられた。
話を聞いてみると、これまで数十年事業を営んできたが、
経営を戦略的視点で考えたことがなかったということだった。
もう少し早めに今回のような勉強会に参加すればよかったという言葉と、
これから何を為すべきかが明確になったという前向きな言葉が聞かれた。
表情は明るく感じられた。
企業経営を進めていく上で試行錯誤は大切だ。
小さい失敗を重ねながらそれを経験として昇華させていく。
しかし現在のような事業環境においてはスピードが要求される。
そのような時は自分の枠だけで考えるのでなく、
異業種の経営者が集う勉強会に参加して、
直面していた各々の障壁をブレークスルーするきっかけを得ることも少なくない。
経営者もそのことに気づかれたのだと思う。
戦略立案のステップは勿論セミナーだけで完結するものではない。
この後、各自がそれぞれ行う”知的思考作業”がとても大切だ。
経営者は丁寧な挨拶の後に外套に身を包んで足早に会場を出た。
ご自身の頭の中はカオス状態になっていることだと思う。
ホットな状態のうちに、頭の中身を紙に落としていただきたい。
戦略は視界を広げる役割を担う。
今回の狙いの一つはそこにある。
小手先の対応に陥らずに、将来につながる手を打っていただきたい。
それぞれの経営者の視界の先には何が映っただろうか。
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