因習破壊者が求められる組織
現状維持はイノベーションが生まれる勢いを失速させることを忘れないでほしい。
チームメンバーの個性を歓迎しよう。
(トム・ケリー)
元横綱の朝青龍が母国モンゴルで記者会見を開いている模様が報道されていました。
一般人への暴行問題への責任ということで現役を引退したわけですが、
暴行問題について無実を主張し、引退に追い込まれたことに対する協会の批判も。
暴行問題の真相は今以てよくわかりません。
これまでも様々な問題を起こすたびに、横綱の「品格」を問われ、
進退について取り上げられてきましたが、
彼の気合いの入った立ち会いを見ることができないのは残念です。
朝青龍の取り組みを見るたびに、
なぜ日本人力士にあの気合いが見られないのか、
と思われる方も少なくなかったかと思います。
トム・ケリーは、
『現状維持はイノベーションが生まれる勢いを失速させることを忘れないでほしい。
チームメンバーの個性を歓迎しよう。』
『イノベーションを生む中心となるのはチームだが、そのチームは個人から始まる。』と述べています。
そして、ホットチームをつくるには、
『どうつきあっていいかよくわからない人』が絶対に必要なのだと。
①予言者、②トラブルシューター、③因習破壊者、④人の心を読む人、
⑤職人、⑥テクノロジー・マニア、⑦企業家、⑧ちがうタイプの服を着こなす人。
8つの風変わりな個性を指摘しています。
若貴時代以降、相撲の人気が低迷して久しいわけですが、
一人横綱で相撲界をリードしてきた朝青龍、その自負もあるのでしょう。
会見ではその側面が会間見れたようにも思います。
朝青龍は因習破壊者だったのかもしれません。
よい組織には対立する要素が必要であり、現状に異議を唱える人、
すなわち因習破壊者が必要になります。
組織の中には、様々な個性を持った人が存在する。
そしてそれぞれが役割を担っていることにも気がつきます。
いい子だけではホットチームをつくることができない。
そう考えると、一人横綱、ダーティヒーロー人気におんぶにだっこで、
特異ともいえる強烈な個性を活かしきることができなかった相撲協会に、
組織活性化のヒントをみることができるのではないでしょうか。
日本の国技たる相撲に伝統や品格も必要なのだと思いますが、
それだけをお題目のように唱えていても、
その延長線上には相撲人気が復活するような物語があるようには思えません。
変化に適応しなければ生き残っていくことができないのは先例からも明らかですが、
その意味では“風変わりな異質”を排除するだけでは、
問題に対処しただけで、真の問題解決になっていなかったことは明らかです。
相撲界こそ因習破壊者が必要だったのではないでしょうか。
今後、組織をどうやって再生していくのか、
問題の本質にメスを入れられるのか注目していきたいと思います。
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