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顧客の立場にたつのウソ

創業者と後継者の間で口論になってしまう場合があります。
その場に居合わせた私も驚きますが、お互い話しが通じていません。どこまでいっても話しがかみ合わない。
こういう“すれ違い“いろいろなビジネスの現場で目にすることがあります。
なぜ、こういったすれ違いが生じてしまうのでしょうか?
あなただったらこの2人にどんなアドバイスをしますか?



竹内薫氏によると、話しが通じないのは、自分の仮説が相手に通じていないということです。
また、相手の仮説を自分が理解していないということでもあるのです。

私たちは(特にトップマネジメントほど)、相手から見たときに、どのように見えるのか?
これを意識する必要があります。

しかし、頭では理解したつもりになっても、自分の考えが相手に通じない時に、
往々にして取りがちな行動が、「こんなこともわからないのか」と言って機嫌が悪くなってしまうこと。

—————————————
お互いの拠って立つところの仮説に気づくことにより、
相手の心積もりもそれなりに理解できようというものです。
—————————————

そうすると冒頭の会社の経営者と後継者の口論も解決の糸口が見えてきます。
こういう“すれ違い“いろいろなビジネスの現場で目にすることがあります。

例えば、ある小売店に経営のアドバイスをするために、行った時の話しです。
この小売店では、広い駐車場のスペースをとることができないために、
店舗の近くの土地を何カ所か借りて、来店客専用の駐車場としています。

そのうちの一つを見ると、「お客様専用駐車場」と看板に書いてあるのに、
その駐車場の大半は中古車販売用の車で占められていて、車をとめる場所がないのです。
ちなみに、この会社は中古車販売の店ではありません。
お店に来店したお客さんの車を止めるスペースがない。

看板に書いてあることと、実際がまるで違っているのです。

それから、ロードサイドにあるにもかかわらず、車で入りにくい店がある。
一度、その店に入るのに、車の底をこすったことがあります。
駐車場の入り口にお客から見て障害物になるようなものがいろいろ置いてある店もある。
お客さんはその店に入る、入らないという選択肢の中で利用しようとしているのに、
店の方でお客が利用しずらい壁のようなものを築いているのです。
この店主は、車道から自分の店に入ってみたことがあるのでしょうかね。

よく「顧客の立場にたって」という言葉がよく使われます。しかし、それは
顧客(相手)の立場ではなく、会社(自分)の立場にたったものであることが多い。

先の駐車場もそうですが、
「セールスレターやチラシの反応率が落ちてきた」
こういう相談を受ける場合がありますが、そのチラシやセールスレターを見ると、
大半は独りよがり(会社の都合だけで作ってある)の文章になっています。
折角いいもの(強み)を持っているのに、
顧客に伝えるべきことが伝わっていないのです。

話しが通じないのは、自分の仮説が相手に通じていないのです。
また、相手の仮説を自分が理解していないということでもあるのです。

お互いの仮説に気づくことにより、
相手の立場にたった行動ができるのかもしれませんね。

人のふり見て我がふり直せ
相対的にものを見る習慣をつけようではありませんか。

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方
竹内 薫
新書: 254ページ
出版社: 光文社 (2006/2/16)
ASIN: 4334033415

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コメント

  1.  後継者と 創業者・・・ですか
    私は父と話しをしていると どうも 喧嘩のようになってしまっていました。
    ですから創業者と 後継者が 親子でうまく行かないのは良く解りますよ。
    実は 同じような事を言っていて 他人なら すっと修正できるのに 
    甘えがあったんでしょうか?
    だから お互いの 心の幸せのため?? もどってくるなんて考えなかったのです。
     これは 相手の立場にたったら 解決できたのかな??
    相手の立場にたつ 最高の事例は 子供に商品を売り込むケースでしょうね。
    昨日の プロフェッショナル ムシキング の開発者でしたが
    子供の目線に合わせることを 自然体でやっていましたよ。

    • 管理部の猛者
    • 2006年 6月 23日

    いやぁ~耳に痛い話です...
    アチキ自身も後継者と言われる者で、本日も社長と諍いを起こしました。
    他の社員なら反発を覚えず、素直に聞き入れられるのですが(笑)
    お互い意地のぶつかり合いです...そのたびに、会社の空気が悪くなるのが分かってはいるのですが(苦笑)
     一歩引いて意見を聞くことも大事なんですねぇ~

  2. 店の都合というのは、
    大体が客にとっては不都合な事ですよね。
    それに気付いてもらえるだけでも、
    全然これから打てる手が変わってきますね。
    くりっく

  3. ほとんどが仮説だと考えると、もっと会話に労力を
    費やさねばという気持ちになりました。
    よいお話ありがとうございます。

  4. 実際書いてある看板と内容違う
    ってことは多々ですよね^^;
    ほんと顧客側にたってない証拠でもありますね。ぽちっ

  5. acbさん
    このケースの親子の場合、互いの仮説が通じていないということは明らかでした。他人の私からみれば目的は一緒で違う角度からのアプローチであり、他人だからこそ修正することができます。でもそのテーマが解決しても根っこの部分では代えがたい永遠のテーマであることも事実ですね。これは他人は伺い知ることのできないところです。ありがとうございます。

  6. 管理部の猛者さん
    それは大変でしたね(笑)。職責の立場を超えて肉親となりますとその気持ちわかります(私も社長の性格を知っているだけに)。でも、思いこみ、先入観に縛られないように注意してください。ありがとうございます。

  7. 圭さん
    >店の都合というのは、大体が客にとっては不都合な事
    それに気付くかどうかはとても大切なことなんですけどね。ありがとうございます。

  8. 1分で成功者に学ぼう!(今別府)さん
    おっしゃる通りですね。面倒がらずにもっと会話に労力を費やさなければなりませんね。ありがとうございます。

  9. 笑顔整体の院長さん
    >実際書いてある看板と内容違ってことは多々ですよね
    やはりそうでしたか(笑)。顧客満足や顧客志向と言う前に、顧客と同じルートで店に入って見ればすぐわかるんですが、そうしていない方が多いんでしょうね。

  10. 大場さん、こんばんは!
    確かに意外なほど「消費者視点」が抜け落ちているケースってありますよね。
    そう言えば最近何かで読んで「なるほど」と思ったのが、
    「こだわりの店」の「こだわり」というのは、店ではなく
    客が決める
    というもの。
    独りよがりで「こだわってます」と言っていても、お客さんがその価値を認めてくれないと・・・(涙)。

    • moenao
    • 2006年 6月 24日

    おはようございます。
    ランキング4位おめでとうございます。
    がんばってくださいね。

  11.  「話が通じないのは仮説が異なるため」というのはその通りですね。ではなぜ仮説が異なるかと言えば、その人の考え方というのが、その人のこれまで生きてきた経験の積み重ねによって決まってくるからなのでしょう。
     したがって、相手の仮説を理解するには相手と同じ経験をすることが必要です。もっとも、すべてを経験するのは不可能なことです。だからこそ、人には想像力が求められるのではないでしょうか。

  12. はじめまして。
    ブログランキングからきました。
    >顧客(相手)の立場ではなく、会社(自分)の立場にたったものであることが多い。
    頷きながら拝見させていただきました。
    勉強になります。
    また、寄らせていただきます。

  13. こんにちは。
    顧客目線とか、顧客視点という言葉があります。
    ところが、社内でのすれ違いはたくさんあります。
    こういう集団では、本来的な顧客視点の説明もかなり
    バイアスがかかって上に伝わっていきそうです。
    でも、そういうことは普通なんでしょうね。
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  14. 標準というか、常識というか自分の常識は他人の非常識ですね
    、なかなかわかりません

  15. 一生懸命になるほどに、お客様の事が見えなくなりますね。
    確かにありがちで、重いミスですね。
    >次のシリーズはもう準備されているそうで楽しみです。月曜>からですか?
    す、すいません。
    まだでしたぁ~ m(_ _)m

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